- 1.ギャッベとは?
- 2.当店だけの特別なこだわり
- 3.当店のギャッベ観
- 4.ギャッベの織り密度
- 5.当店のギャッベが安い理由
- 6.知って納得!当店のギャッベ現地リポートby店長
- 7.ギャッベを購入する時は?
- 8.ギャッベと暮らす~お手入れについて
1. ギャッベ(ギャベ)とは?
「ギャッベ(ギャベ)」は、ペルシャ絨毯の一種です。 近年国内でどんどん認知度が高まってきているギャッベですが、ギャッベとはイランのシラーズ地方の遊牧民カシュガイ族が織る手織りじゅうたんのことで、沙漠での移動生活のための生活必需品として伝統的に各家庭で織り使われている敷物です。
▼カシュガイの生活▲黒いテントと家畜。カシュガイは、夏と冬で場所を移動して生活している。
▲移動のようす
▲乳搾り
▲家畜の羊から刈り取ったウールを紡ぐ
<▲紡いだウールを染色する
▲デザインは無く、頭の中に浮かぶイメージで織っていく
家畜の羊の毛を刈って紡ぎ、それを自然の草木で染め、カシュガイの女性は家事の合間にギャッベを織ります。 寒暖の差の大きな沙漠の生活で快適に暮らせるよう作られるギャッベですが、厚くふっくらしたウールの質感と草木染の美しさと奔放なデザインが徐々にイラン以外の海外で人気となり、近年日本でもギャッベのファンが増えてきています。
そのため、ギャッベ人気の上昇に伴い、トルコやインド、中国、ベルギー産などの他国の製品や機械織りのもの等など色々な”ギャッベ風絨毯(じゅうたん)”というような「コピーギャッベ」が出回るようになりました。 また、最近ではイラン産でもシラーズ以外の地方で商業として生産されているものもあります。しかし、本来のギャッベ(ギャベ)とは、イランのシラーズ地方のカシュガイが手織りするじゅうたんのことです。
当店のギャッベは全てシラーズの本物を直接買い付けて輸入販売しています。
2. 当店だけの特別なこだわり
ギャッベを知れば知るほど、本物のギャッベが欲しくなります。そして実際購入するにあたって、そのギャッベのルーツも知りたいと思いませんか。イラン産のギャッベの中にも、現地の卸問屋で簡単に選んで仕入れられるようなギャッベもあり、そういう品も日本に入ってきています。ただ、そのルーツまで正確に掘り下げて知ることは不可能です。当店は、素性の分からないギャッベでなく、自信を持って説明できるような昔ながらの天然素材を使用した本物のカシュガイ・ギャッベを取扱いたい、というこだわりを持ち、直接見て触れて確認した本物のギャッベだけを自信を持ってご紹介しています。
ギャッベをお求めになる方は皆さんが長く使える良いものが欲しい、本物が欲しいと思っておられると思います。当店はそんなお客様の気持ちに100%応えられるギャッベ、実際に見て確かめたものだけを自信を持ってご紹介しております。信頼できるお店をモットーにお客様が安心してお買い物できるよう努めています。
3. 当店のギャッベ観
オリジナルギャッベを制作した当初それをお買い上げ頂いたお客様から、「商品はとても気に入った。ギャッベの持つ野性味がもっとあっても良かったかも」というお声を頂いた事がありました。 但し添えがあったのにその時なぜだかとても嬉しい気持ちになりました。今思えばギャッベをよく知っている方に出会えたという喜びだったと思います。日本ではたいてい多くの方がきっちりしたものを好みます。 また好むだけでなく、そうでなければ良くないものだとも思っておられるようです。ですから、当時、当店ではギャッベはその好みに合わせて、きれいに整った好まれるものを選んで取り揃えていました。
イランと日本を行き来し、現地の歴史や文化、空気を肌で感じるにつれ、こざっぱりと整ったものだけ選別することに違和感を感じるようになりました。イラン出身の夫と結婚した影響もあったと思います。 日本人的な価値観のフィルターを通したら、ギャッベの魅力が半減するように感じました。そして何より私自身ユニークなギャッベのほうが好きなのです。
ギャッベやキリムを販売していて、形がちょっと歪んでいるから良くない物でないか? デザインの線が曲がっているのは品質の良くないものですか?途中から色が違っているからこれは失敗作ではないか?こういったご質問などを頂くことが時々ありますが、非常に日本人らしいなと思います。
確かに歪みや曲がりが無いものの方が評価は高く、より好まれる傾向は万国共通にないわけではありませんが、かといってそれが実質的な品質が落ちる要因ではありません。 ですから、当店ではこのような歪みや曲がりなどはギャッベの個性と捉えて販売しています。良い⇔悪いではなく、人気が高い⇔人気が低いというように見てください。その上で、やっぱり整っているものが好きだな良いなと思えばそちらを選んで欲しいのです。
多くの方にもっとギャッベというものを自由に楽しんで欲しい、当店ではそう願っております。
店長 木村ゆう子
※価格面では基本的に手間暇に比例しますので、織り密度が細かいとかデザインが複雑なものだと高くなる傾向はあります。また人気の無かった長期在庫などは値下げとなります。
4. ギャッベの織り密度※当社比
5. 当店のギャッベが安い理由
「デパートやインテリアショップに並んでいるギャッベは、お店によっては2倍、3倍の値がついているけれどなぜ?やっぱり品質が違うのですか?」
当店の値段が安いので、このようなご質問を頂くことがありますが、ギャッベの価格はなぜ大きな差があるのか、3つの理由が挙げられます。
・どこから仕入れるか
現地において、織り手から直接バイヤーが買い付けるというケースはほとんど無く、必ずその間には幾つかの卸業者や仲介業者が入ります。その数を減らせば減らすほど仕入れ価格は低く抑えられます。 そして、日本に輸入された後にも卸問屋、商社など複数の中間業者を介せばその間々でそれぞれ何割もの手数料が上乗せされていきますので、店頭に並ぶまでには何倍も原価が上がってしまいます。
当社は日本に輸入している輸入元ですので、国内においてはもちろん一切の仕入れコストがかかりません。また、母国出身のオーナーが地の利を活かして現地においても業者を介さない仕入れ方法に日々尽力していますので、現地における仕入れルートも他社に勝っている自信があります。
・どれくらい仕入れるか
どの国でも、どんな商材でも数量がまとまれば一点あたりの価格が違うと思います。ギャッベも同様です。ギャッベは保管に場所をとるため広大なスペースが無いと在庫のストックが難しい商品なので扱う数量が少ない業者が多いのですが、当社は違います。 広い在庫スペースを確保し、一度に買い付ける数量を大量に取りまとめることによって価格を低く抑えています。一度の数量をもっと減らせば楽なのが本音ですが、でも頑張っています。
・どれくらい経費がかかるか
大量に取りまとめることによって輸入に関わる諸経費も当然低く抑えられていますが、営業活動においても店舗の地代家賃や人件費など経費がかかります。首都圏をはじめとする大都市また好立地の場所ほど高額となります。 また、展示会やデパートなどなら場所代の他に何割もの売上手数料がかかりますので、その分上乗せしなければなりません。
当社では、高額な場所代や売上手数料のかかる販売方法は一切行なっておりません。スタッフも最小限、実店舗も在庫管理に配慮しつつも作りは非常に簡素です。ですから、同じ商品が他店の数割安、場合によっては半額以下で販売することが出来るのです。 当社は、高級感のある立派な店構えやおしゃれな雰囲気の中で高く売るお店ではありませんので、当店店頭では商品が引き立たないかもしれません。それゆえギャッベを良く知る人やギャッベ愛好者の方に大変支持されているとように実感しています。
当社では法人化以降、ギャッベの他にペルシャ絨毯やキリムも含め、価格以外においても仕入れルートの開拓・オリジナル商品の開発など他との差別化を図っております。 近年のギャッベブームに伴い商用生産品が増え続ける中、基本的には草木染めや伝統製法にこだわった昔ながらのギャッベをご紹介してまいりたいと思っております。「信頼とこだわりの店」をモットーに常に進化していきたいと思っておりますので今後の発展もあたたかく見守っていただければ幸いです。
6. 知って納得!当店のギャッベ現地リポートby店長
当店のギャッベはどのような環境で編み出されたのでしょうか。こんな所です。実際に訪れて目で肌で感じてみると、そのデザインや質感・機能性など、ますます深く、「なるほど!」と思えてきます。
▲飛行機からのシラーズの眺め。シラーズの市街地は茶色い山並みで周囲を囲まれたような地形をしている。
▲山に木々は少なく、かわりに隆起した地層のうねりが太古の大地創成への想像力をかき立てるような雄大な眺め。ギャッベのグラデーションはこんな風景を描いたもの。ギャッベによく見られる山にドットを入れたデザインも点在する木々の様子だろう。
▲ギャッベに描かれている木々のモチーフに重なるような背丈の低い木々が点在している。
▲ギャッベやキリムにある木をモチーフにした図柄を「生命の木」と呼ぶが、乾いた大地の中では、緑の葉を茂らす木が本当に生命の象徴のように思われる。
▲ギャッベのアブラシ(グラデーション)そのままのひろがりのある雄大な風景。
▲山は、近くで見ると、土というより岩のよう。
▲乾燥した茶色の土地だけでなく、カナート(イランの乾燥地域に見られる地下用水路)の普及により、緑が目に鮮やかな田園風景も広がりる。ギャッベやキリムのピクチャーデザインにこんな景色のものがよく見られる。
▲ギャッベの織り手、カシュガイ族の野営。観光用のデモンストレーションでは無い本物の方たち!服装や家財は今では現代的になっているが、テントのほうは伝統的。こんな硬い地面に使用するのだから、ギャッベはある程度分厚く無いとならない。
▲家畜のヤギ・羊の囲い。日中は放牧中だ。
焼きたてのヌン(パン)は、麦の風味が強く、本当に美味しい。
ギャッベは寒いときには暖かく、暑いときにはひんやりと、厳しい環境にも適した特性を持っており、年中使える。 また寒暖の差が大きな乾燥した土地のため、羊毛はコシの強い良質なウールとなり、ギャッベはへたれず何十年も使えるほどの耐久性を持っている。
近年どんどん認知度が上がってきている「ギャッベ(ギャベ)」という絨毯ですが、ギャッベ人気の上昇に伴い、トルコやインド、中国、ベルギー産などの他国の製品や機械織りのもの等など色々なギャッベ風じゅうたんというような「コピーギャッベ」が出回るようになりました。 また、イラン産でもシラーズ以外の地方で商業として生産されているものもあります。本来のギャッベ(ギャベ)とは、イランのシラーズ地方で遊牧生活を営むカシュガイが手織りする部族じゅうたんです。
イラン産のギャッベの中にも、現地の卸問屋で簡単に選んで仕入れられるようなギャッベもあり、そういう品も日本に入ってきています。ただ、どこで誰が作ったギャッベなのかまで正確に掘り下げて知ることは不可能です。 当店は、素性の分からないギャッベでなく、自信を持って説明できるような昔ながらの天然素材を使用した本物のカシュガイ・ギャッベを取扱いたい、というこだわりを持ち、直接見て触れて確認した本物のギャッベだけを自信を持ってご紹介しています。 ですので、こちらで紹介しているものは、当店で販売しているギャッベについての説明となります。すべてのイラン産ギャッベに当てはまりませんのでお知りおきください。それが当店のこだわりです。
▲シラーズにある当店の染め工房にて。
発注したのは油分と強度があり、風合いの良い手紡ぎウール。これから染色に入るものから染めが終わったものまで大量のウールの山。
▲大釜は色ごとに10個くらい並んでいる。
直径2メートルもある大釜は、人がすっぽり沈んでしまうくらいの深さがあり、覗き込むと足元がざわざわする感じ。この釜をぐらぐらと焚いて高温でぐつぐつと何時間もウールを煮続ける。その後そのまま丸一日つけ置き、ギャッベの色はがっちりと染め上げられる。
▲釜は色別に使い分けられている。こちらは赤色用の釜。
一見荒々しくも思える工程は、堅固な羊毛だからこそ出来得るのかもしれない。そしてギャッベの耐久性と深みのある色合いの秘密に納得させられる。
▲釜で染色された色は水洗いの後、イランの強い直射日光でジリジリと天日干しされる。染料は複数を調合することで、一種類よりもより深みのある色合いを出すことが出来る。どんなギャッベになるのでしょう、ワクワクします。
▲当店のギャッベに使用される赤の糸をチェック。明るすぎず暗すぎず、程よい色合いで満足の出来。
ジャシール(野草の一種) 黄、緑系に使われる |
クルミの皮 茶色などに使われる |
ロナース(根を挽いたもの) 赤、黄系に使われる |
ザクロの皮 黄や赤系に使われる |
麦の茎なども染料に使われている | 色の定着のための媒介に使うザーグ(塩) |
▲上記以外にも植物由来の染料はいくつもある。それらの調合や配合によって色の濃淡や色彩は無限に作ることが出来る。例えば左写真の糸は、クルミの皮とロナースを一定の分量で調合して出した落ち着いた黄色。
▲工房内の色見本。ラフに置かれているのがイランらしいが、染め上がりの確認や、オーダー時の参考とされている。
▲織り上げた状態のギャッベ(生ギャッベ)が保管されている。
▲ギャッベを細かく確認する当社長。
▲織りあがったままの生ギャッベです!洗いや毛足を切りそろえる仕上げ作業(シャーリング)される前の状態。
▲上側がギャッベの裏面だが、この状態では裏を見た方が分かりやすい。
▲毛足の拡大。ウールはモアモアの状態で仕上げ後のギャッベとは全く違う質感。
▲その中から数枚抽出し、実際水洗いと仕上げの工程にかける。
▲当社長が出来具合を確認、仕上げ作業の細部指示をだす。この時に刈り込みの深さの微調整も行いギャッベの厚みなども決められる。
7. ギャッベを購入する時は?
ラフに手織りされるギャッベには、一枚一枚に個性があって、その中から一枚選ぶのは確かに難しいかもしれません。こちらを参考にお気に入りの一枚を見つけていただければと思います。
- ・ギャッベの特性を理解しよう
- ギャッベはもともと遊牧生活用の敷物ですので、それに一番適したように作られています。 暑さ・寒さともにある気候に適するように、厚みがあって足元の硬さと寒さを遮り、夏場でもひんやりと年中使えます。沙漠の絨毯のため、湿気よりは乾燥の方が向いています。また、野営なら風で飛んでいって気にならないのでしょう、遊び毛がでます。 遊び毛が嫌な場合には織りの細かなもの程少なくなりますのでハイランクのものを選んでください。
- ・敷く場所にあったサイズ選び
- 好きな色・デザインもありますが、サイズが合わないとしっくりきません。まずはお部屋を採寸してバランスの良いサイズを確認してください。
- ・色柄はお好みで
- ラフに手織りされるギャッベは一枚一枚に個性があります。ラインが曲がっていたり歪みがあっても、それは良くないものではありません。それも含めてギャッベなのです。そしてその中から相性の合うものをご自分の感性で選んでください。直感でも良いかもしれません。
8. ギャッベと暮らす~お手入れについて
- ギャッベはずっしりした絨毯です。サイズが大きくなればその分重量も大きくなります。また、薄いものより厚手のものの方が重さがあります。
- ギャッベは抜け毛があります。
多少の差はありますが、ギャッベの特性の一つとして抜け毛があります。抜け毛が苦手な方は、アマレ・カシュクリなどの細かい織りのハイランクギャッベやペルシャ絨毯などの高密度のタイプの絨毯をお勧めします。 - 年中通して使ってOK。
見た目とは違い、夏場でも意外にひんやりしていますので、敷いたまま一年を通じてお使いになって大丈夫です。ただ、見た目に暑苦しい・・という方は夏場は外してもよいと思います。
- ホットカーペット・床暖房にもお使いいただけます。
当店のギャッベは全てホットカーペット・床暖房にも使用できます。また、当店販売の滑り止めシートもホットカーペット・床暖房に対応しております。
- 湿度が高い天候の時は、ウールのにおいが出ます。除湿や干すなどすればまた消えます。
- 普段のお手入れは簡単。一般の絨毯のように、掃除機をかけてゴミや埃を吸い取って下さい。
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少し汚れが目立つような場合の対処法
絨毯用の洗剤水を手で掻き立てるようにして、よく泡立てる。
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泡だけをすくって汚れの部分にのせ、やさしく泡でなでる様に汚れになじませる。
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泡をふき取り、固く絞ったタオルで洗剤分をよくふき取りったら、乾いた布で水分を取って、よく乾かす。
- 天然染料でも水にぬれると色落ちします。濡れたらすぐに水気をよく吸い取るようにして、色にじみや色移りしないようにします。
- 取り外して保管する場合には、汚れやごみを取り除き、虫に喰われないよう防虫剤を使ってください。
- 丸洗いの頻度は使用の状況により一概には言えませんが、数年に一度くらいで大丈夫です。水洗い出来ますので、ご自分で洗っていただいても良いのですが、乾ききるのに時間がかかりますので水洗いは日差しの強い夏場をお勧めします。お湯は使わず冷水で洗い、専用の洗剤か頭髪用シャンプーを使いましょう。
手洗いが不安な方や大きなサイズなどは、当店にご相談ください。ギャッベやキリム・ペルシャ絨毯専門のクリーニング・補修も随時お受けしております。